アリジゴクからウスバカゲロウへ




2015年5月26日 武田尾武庫川岸の河原に沢山のアリジゴクを発見、生態観察の飼育用に30匹程を捕獲持ち帰る。
自然界ではめったに餌にありつけない為、3か月位食べなくても平気のようだ。従って幼虫の期間は2〜3年もかかるよ
です。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


5月27日 プラスチックケースに入れ飼育開始
飼育ケースに幼虫を入れると、それぞれ尾の方から回りながら砂に潜り込み、大あごの先で砂を放り出す。
この繰り返しで深く大きくしていく。右回り・左回りは同じ個体でもその時の気分によるようです。

穴掘り作業の動画 
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生きた蟻を与えると蟻地獄に引き込み体液を吸い込む。吸い終わると大あごで外へ放り出す。綺麗好きだ。


蟻捕獲の動画 MOwV-9iyx5EN7OqrUoBduE

終齢幼虫 0.08g〜0.15g




幼虫(アリジゴク)と餌の蟻の模型
2024.4.23作成




鋭い大あごはあるが口はない




30分位で体液を吸い終わると干からびた蟻をすり鉢の外へ放り出します。



大あごの構造をより詳しく見るため先端を切る(残酷だが)と透明な水玉が出てきた。蟻から吸った体液なのか溜め尿なのか? 
幼虫の体積に比してあまりにも量が多い。蟻等小昆虫の体液以外水分は摂取しない筈だがこれは何なのか?
1か月絶食した個体で再度実験してみよう。



大あごは切断しても再生するか?


大あご切断2匹は蟻を食べることが出来ず、他の2匹は別室で絶食中、
6月25日最後の蟻捕食から何か月生きられるか実験中。


5月31日 別の飼育ケースのアリジゴク(幼虫)が減ったので砂の中を調べたら15個の繭(砂玉)が出てきた。
自然界では繭になるのに2〜3年掛かると言われているが、毎日蟻を与えると生長が早く、
僅か5日間で繭(砂玉)を作った。


繭 中に蛹が入って居る  1個0.7g


6月9日 繭(砂玉)の中を覗くと成虫と変わらない蛹が入っていた。腹部の真珠の様な丸い球は溜め糞?
蛹は成虫とよく似ていますがこれでも「完全変態」
と言うのでしょうか。


粘土で作った模型です。




繭の抜け殻              中央は幼虫の抜け殻             右は蛹


幼虫(アリジゴク)時代は肛門が無く排泄しない。


蛹には肛門がある


繭・蛹からの羽化脱出
6月20日夜2匹、21日夜3匹、23日夜1匹、25日夜1匹、26日夜2匹、羽化し繭から脱出した。

いずれも19時から21時の間に集中していました。
本来は砂の中で繭から羽化脱出するのでしょうが、観察の為、砂上に出して毎晩観察した。
脱出するのに要する時間は殆どが僅か1〜2秒で連射撮影でも不可でしたが、
1個体だけが約40秒間で奇跡的に動画撮影ができました。(本邦初公開?)





羽化脱出の動画 15MFLiKcgy4



羽化脱出直後、まだ翅が伸びていない


羽化脱出後15分で翅が伸びてきた。

15MFLiKcgy4







触覚2本、複眼2個(単眼無し)、大あごは小さくなり口が有ります。


幻想的な暗闇へ飛んでいきました。
写真の成虫は作った模型です。


羽化脱出の後には


大あご切断・絶食実験中のアリジゴクはどうなったか?
8月3日以降、記録ファイルを紛失し正確ではないが8月末位まで生きていました。


8月3日以降、記録ファイルを紛失し正確ではないが9月末位まで生きていました。


卵は何所に産卵するのか

2017年9月8日 某所某建物の軒下に今夏新しく小さなアリジゴクが沢山出来ていた。
8月19日には無かったのでその後産卵したものが孵化したと思われます。
中の3個が今夏出来たもの、両サイドは以前からあったものです。



今夏出来たもの 1.5cm位


以前からあったもの 6cm位




今年は産卵の現場を確認出来ませんでしたので、
来シーズン飼育箱で産卵シーンの撮影に挑戦します。


実物は小さく観察し易いように 10 〜15倍の模型を造りました。





卵〜幼虫〜繭(蛹)〜成虫








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